銀の匙

 天下の名門・灘高校の元名物国語教師が、教科書を使わず生徒に読ませたと云う「中 勘助の銀の匙」に興味がわき図書館で検索、はじめはヒットしないので諦めかけていたら突然ヒット、岩波文庫から全集まで多数の目録が・・・。内田百輭との全集を探してもらうことにしたら、暫くして窓口に。
 「文字が小さいけどいいですか?」と聞かれたが、ほかに興味のある短編を期待して大丈夫だと。
 勘助は海津今尾藩の子弟で文体は美濃弁・・・岐阜弁・・・がそこここに出てきて面白い。特に付きっきりで世話を焼いてくれた伯母さんの言葉はほとんど・・・・。
 幼少期病弱で外に出るのもはばかられた幼児が、伯母の庇護のもと育って行く姿が描かれている。何故教科書代わりにこの本が選ばれたのか・・・?。今はなき名物教師は、他の教科の先生の協力を得て小説に出てくる遊びや、動植物(名?)を併せて見たり、体験させたりしたと・・・・?
 そう云えばこの小説には、遊びはもとより動植物名や、祭りなどの社会生活に関する用語が矢鱈と出てきて、今や喜寿を超えた私にも難解な動植物名や、生活用語等がドーッと出てきて、戸惑いを隠せない状況に陥る始末。おまけに当て字も多い。「なる程、社会生活に欠かせない習慣や人との付き合い方に必要なありとあらゆる現象が捉えられている。」と思った。今問題にもなっているいじめ問題と、・・・それに対処する子供の姿までもが。
 現職時代・・・職員の役職研修で、とある銀行マン(講師)が若い人に初めから「この仕事やってみろ。」ではダメ。先ず教え、その上で「それじゃー計画を立ててみよ。」がリーダーの条件だ・・と。なぜなら教えてもらって居ないから・・・・。
 今一つ。大學出でも試験(実験)計画が立てられない御仁がいるとか?聞いたことがある。
 まだある。かなり経験を積んだ職員に計画書の見直しを指示したら「マニュアルをつくっつて下さい。」と。
 文科省のマニュアル教師?の方々も「銀の匙」読んでみる価値がありそうである。