古傷が騒ぐ(2)

 当時農専に通っていた兄が気を使い、左手でピッチングをやれと手作りの布製グローブ(姉が作ってくれた)でキャッチボールをしこたまやらされたことを覚えている。 
 でも物にはならず、大学を出て就職。職場の草野球チームではピッチャーをやるなど普通の生活をしていた。幸いなるかな速い球は投げられなかったが、コントロールはフグであるためか抜群だったと思う。ただあまり根詰めて投げるとけ怠さを感ずることは多かった。
 ところが年を重ねるにつれて、特に70代 に突入するや否や、しびれを伴うけ怠さが・・・・特に寒い時期を中心に襲うようになった。肘から先だけなのでやっぱり古傷のせいだと思う。
 かかりつけ医に相談したら整形外科での診断を進められた。
 そう云えば、気のせいか左手の小指の先も時々疼くことがある。稲刈りの時鋸鎌で思いっきり刈り込んだ切り傷の跡である。
 若い時は何でもなかったことが、年と共に疲弊し痛みが出てくることの如何に多いことよ。